「録った歌をMIXしたら、“さしすせそ”だけ妙にシャリシャリして耳に刺さる…」——これは歯擦音(しさつおん/シビランス)と呼ばれる、歌ってみたでとても多い悩みです。この記事では、MIXエンジニアの視点で、サ行が刺さる原因と、録音・ディエッサーでの直し方、そして“消しすぎない”加減までをやさしく解説します。
「サ」「シ」「ス」などの子音には、5〜10kHz前後の高い周波数の成分が多く含まれます。この帯域が強く出すぎると、聴いていてチクチク・シャリシャリと耳に刺さって感じます。これが歯擦音(シビランス)です。特にヘッドホンやイヤホンで聴くと目立ちやすく、サビなど声を張る場面で顔を出します。
ディエッサー(後述)で直す前に、録り方で減らすのが遠回りに見えて一番の近道です。現場でよく効くのはこの3つです。
録音段階で“刺さり”を減らしておくと、あとのMIXで無理に削らずに済み、結果的に自然な仕上がりになります。
ディエッサーは、ざっくり言うと「サ行が出た瞬間だけ、その高い帯域を自動でスッと下げる」プラグインです。常に高域を削るEQと違い、刺さった瞬間だけ働くのがポイントです。
やりがちな失敗が、刺さりを気にするあまりサ行を削りすぎることです。削りすぎると、歌詞が聞き取りにくくなり、声全体がこもって元気がなくなります。目標は「サ行を消す」ことではなく、「刺さりだけを取り、言葉ははっきり残す」こと。実際の現場では、1つで強く削るより、弱めのディエッサーを2段に分けて薄くかけるほうが自然になることが多いです。最後は必ず、スマホのスピーカー・イヤホン・普通のヘッドホンなど複数の環境で聴いて確認します。
関連して、ノイズ全般の整え方は 歌ってみたのノイズ処理、MIX全体の流れは MIXの手順、そもそも高域が出やすいマイク選びは マイクの選び方 も参考にしてください。
ディエッサーは“やりすぎると不自然、控えめだと刺さる”の境目がシビアで、慣れるまで判断が難しい処理です。「刺さりは取りたいけど滑舌は残したい」という自然な仕上げは、プロにとっても神経を使うところ。うまくいかないときは、無理せず依頼してしまうのも手です。
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