ホームブログ › 歌ってみた動画の作り方

歌ってみた動画の作り方
一枚絵・歌詞テロップと、音ズレしない書き出し設定

2026年8月 公開 ・ 投稿/歌ってみた
YOUMIX 運営者(MIXエンジニア/ボーカルディレクター)のアイコン 監修:YOUMIX ボーカルディレクター 東京・北池袋/歌ってみたMIX・ボーカルディレクション担当
歌ってみた動画の作り方と書き出し設定を解説するイメージ

録音が終わって、MIXも仕上がった。残る最後の関門が「動画」です。

音楽は作れても映像は専門外、という方がほとんどだと思います。実際、ご依頼いただいた方から納品後にいちばん多く届く質問が「この音源、どうやって動画にすればいいですか?」です。

結論を先にお伝えします。歌ってみたの動画は、一枚絵で十分です。そして、凝るかどうかよりはるかに大事なのが「音ズレさせないこと」です。せっかくのMIXが、書き出し設定ひとつで台無しになります。

この記事では、動画のタイプの選び方、無料でできる編集ソフトの選択、歌詞テロップの入れ方、そして音ズレを起こさない書き出し設定までを、順番に整理します。映像編集の経験がゼロでも、この記事の通りに進めれば1本仕上がります。

この記事の位置づけ。投稿そのものの手順は 歌ってみた初投稿までの完全手順、概要欄の書き方は 概要欄の書き方とクレジット表記 にまとめています。この記事は「音源はできた、動画をどう作るか」に絞った実務編です。
この記事で分かること
  1. 歌ってみた動画は3タイプ。どれを選ぶか
  2. 作り始める前に用意する4つの素材
  3. 無料の動画編集ソフト、どれを選ぶか
  4. 一枚絵動画の作り方【5ステップ】
  5. 歌詞テロップの入れ方と、入れすぎない設計
  6. 【最重要】音ズレを起こさないための3原則
  7. 書き出し設定の正解【YouTube・2026年版】
  8. サムネイルは動画より先に決める
  9. やりがちなNG6つ
  10. 公開前チェックリスト
  11. よくある質問

1. 歌ってみた動画は3タイプ。どれを選ぶか

歌ってみたの動画は、突き詰めると次の3タイプに分かれます。まず自分がどれを作るのかを決めてください。ここが決まらないまま編集ソフトを開くと、確実に迷子になります。

タイプ内容制作時間の目安向いている人
一枚絵イラスト1枚を全編表示。歌詞テロップを乗せる場合もある30分〜2時間初投稿の人/投稿頻度を上げたい人/大半の人
スライドショー数枚〜十数枚の絵をパート毎に切り替える2〜5時間絵が複数ある人/展開の大きい曲
MV(動画)アニメーション・実写・エフェクトを用いた映像作品10時間〜/外注が現実的企画物/記念曲/既にファンがいる人

迷ったら一枚絵で問題ありません

「一枚絵は手抜きに見えないか」と心配する方がいますが、歌ってみたの視聴者が見に来ているのは映像ではなく歌です。実際、再生数が伸びている動画にも一枚絵は数多くあります。

むしろ気をつけたいのは、映像に時間をかけすぎて投稿が止まることです。1本に10時間かけて年3本より、1本2時間で月2本のほうが、聴かれる機会は圧倒的に増えます。まず投稿のリズムを作り、映像は余力ができてから足していく——これが実務的な順番です。

2. 作り始める前に用意する4つの素材

編集ソフトを開く前に、素材を揃えてしまいましょう。作業中に素材を探し始めると、そこで一日が終わります。

素材推奨する形式・仕様注意点
完成音源MIXから受け取ったWAV(24bit / 48kHz または 44.1kHz)MP3に変換しないこと。圧縮を二重にかけると高域が痩せます
イラスト1920×1080以上。PNG または JPG使用許諾を必ず確認。概要欄にクレジットを記載
歌詞データテキストで手元に用意原曲の歌詞をそのまま使う場合の扱いは後述
フォント動画利用が許諾されているもの商用・動画利用が不可のフォントがあります
音源の形式は、ここで妥協しないでください。MIXエンジニアが仕上げた音は、WAVのまま動画に貼るのが前提です。いったんMP3に落として動画に入れると、YouTube側でもう一度圧縮がかかり、圧縮が二段重ねになります。この劣化は、サ行の刺さりやシンバルのざらつきとして表に出ます。詳しくは YouTubeにアップすると音質が悪くなる?原因と書き出し設定 で解説しています。

3. 無料の動画編集ソフト、どれを選ぶか

歌ってみた動画に必要な機能は、実はごくわずかです。「画像を並べる」「音を貼る」「文字を出す」「書き出す」——この4つができれば足ります。高機能なソフトを選ぶ必要はありません。

ソフト費用難易度音の扱い向いている用途
CapCut無料(一部有料機能)やさしい良好とにかく早く1本作りたい/スマホでも作業したい
DaVinci Resolve無料版ありやや高い非常に良い本格的にやりたい/音ズレを厳密に管理したい
AviUtl無料高い良好Windows/細かく作り込みたい
Canva無料(一部有料)とてもやさしい普通一枚絵+簡単なテロップのみ
iMovie無料やさしい普通Mac/最小構成で仕上げたい

おすすめは目的で分かれます

デメリットも書いておきます。CapCut は手軽な反面、書き出し時の音声設定を細かく指定できない場面があります。DaVinci Resolve は無料版でも十分強力ですが、パソコンの性能をそれなりに要求します。Canva は書き出し品質の選択肢が限られます。「手軽さ」と「音の制御」は、だいたいトレードオフの関係にあると覚えておいてください。

4. 一枚絵動画の作り方【5ステップ】

ここからは実作業です。どのソフトでも考え方は同じなので、手順として読んでください。

ステップ1:プロジェクトの設定を先に合わせる

これが最重要です。新規プロジェクトを作ったら、素材を入れる前に次を設定します。

後から変更すると、既に置いた素材の位置がずれることがあります。最初に決めて、以後さわらないのが鉄則です。

ステップ2:音源を先に置く

画像より先に、完成音源をタイムラインの先頭(00:00:00)に配置します。動画は音に合わせるものなので、基準となる音を先に固定します。

このとき、曲頭に無音がある場合はそのまま残してください。切り詰めると、後述する歌詞テロップのタイミング調整が全部やり直しになります。

ステップ3:イラストを音源の長さに合わせて伸ばす

画像をタイムラインに置き、右端をドラッグして音源の終わりと同じ位置まで伸ばします。一枚絵動画は、実質これで完成です。

画面いっぱいに収まらない場合は、拡大縮小で調整します。縦長のイラストを無理に引き伸ばさないでください。左右に余白を作り、背景色を単色で敷いたほうが自然に見えます。

ステップ4:文字情報を入れる

最低限、次の情報は画面に入れておくと親切です。

クレジットの表記ルールは 概要欄の書き方とクレジット表記 に一覧があります。動画内の表記も、基本的に同じ考え方でそろえてください。

ステップ5:書き出す

設定は後述の第7章にまとめました。書き出しは必ず、視聴環境で一度再生してから投稿してください。スマホとPCの両方で確認できると理想的です。

🎚 動画は一枚絵で十分。差がつくのは音のほうです。
歌ってみたのMIX・マスタリングを相談する(YOUMIX)

5. 歌詞テロップの入れ方と、入れすぎない設計

歌詞テロップは、入れれば入れるほど良いものではありません。目的は2つだけです。

  1. 初見の視聴者が曲についていけるようにする
  2. 言葉が聞き取りにくい箇所を補う

この2つを満たせば十分で、それ以上は視線が文字に固定され、歌そのものへの集中が下がります。

読みやすいテロップの条件

項目推奨理由
1画面の文字数1〜2行まで3行を超えると視線が往復して追えなくなります
文字サイズ画面高さの1/20以上スマホ視聴が主流。小さい文字は読まれません
白+薄い縁取り、または黒縁イラストの明暗が変わっても読める状態を保つため
表示位置下寄せ・中央顔や重要な描き込みを隠さないため
切り替え歌い出しの0.2〜0.3秒前に出す同時だと「遅れて出た」ように感じます

タイミング合わせのコツ

波形を見ながら合わせるのが確実です。ボーカルの波形は、歌い出しで明確に立ち上がります。その立ち上がりの少し手前にテロップの開始点を置くと、自然に見えます。

全編にテロップを入れる場合、先に全部の文字を並べてから、まとめてタイミング調整という順番のほうが速く終わります。1行ずつ「置く→合わせる」を繰り返すと、体感で3倍時間がかかります。

歌詞の扱いについて。歌詞は原曲の権利者に帰属する著作物です。動画への表示可否は、投稿先プラットフォームと権利者の許諾状況によって扱いが変わります。判断の前提は ボカロのカバーは著作権的にOK?投稿してよい範囲 に整理していますので、あわせてご確認ください。

6. 【最重要】音ズレを起こさないための3原則

ここがこの記事の本題です。「動画の後半になるほど、口と音が合わなくなる」——この相談を本当によく受けます。原因はほぼ3つに絞られます。

原則1:サンプリングレートを一致させる

いちばん多い原因です。音源が48kHz なのに、プロジェクト設定が44.1kHz(またはその逆)だと、再生速度がわずかにずれます。

どれくらいずれるか、実際に計算してみます。48kHz の音源を44.1kHz として扱うと、速度比は 48000 ÷ 44100 = 約1.088。つまり約8.8%も速く(または遅く)なります。4分の曲なら、終盤で20秒以上のズレです。

編集ソフトが自動変換してくれる場合もありますが、変換の品質やタイミングはソフト任せになります。最初から一致させておくのが唯一の確実な方法です。

身近なたとえで言うと。これは「1メートルのつもりで測っていた定規が、実は1メートル8.8センチだった」状態です。1回測るぶんには気づきませんが、何十回も継ぎ足していくと、最後には大きな差になります。音ズレが「後半になるほどひどくなる」のは、このためです。

原則2:可変フレームレート(VFR)の素材を持ち込まない

スマホやゲーム画面の録画機能で撮った映像は、可変フレームレート——つまり1秒あたりのコマ数が場面によって変わる形式で保存されていることがあります。

これを編集ソフトに読み込むと、ソフト側は「一定のコマ数」を前提に処理するため、じわじわとズレが生じます。実写素材を使う場合は、編集前に固定フレームレートへ変換しておくと安全です。一枚絵の場合はこの問題は起きません。

原則3:音源は最後に貼り、貼ったら動かさない

MIXの調整が続いている段階で動画を作り始めると、曲頭の無音の長さやフェードの位置が変わったときに、テロップのタイミングが全部ずれます。

素材集めや構成の検討は先に進めて構いません。ただし「音を貼る作業だけは、完成音源が届いてから」と決めておくと、作り直しが起きません。

症状疑うべき原因対処
後半になるほどズレが大きくなるサンプリングレート不一致プロジェクト設定を音源に合わせて作り直す
最初から一定量ズレている音源の配置位置音源を00:00:00へ吸着させる
書き出し後だけズレる書き出し設定のfps不一致プロジェクトと書き出しのfpsをそろえる
実写部分だけズレる可変フレームレート素材固定fpsに変換してから読み込む
YouTube上でだけズレるアップロード直後の低画質処理中処理完了を待って再確認する

7. 書き出し設定の正解【YouTube・2026年版】

迷ったら、この設定にしてください。歌ってみた動画であれば、これで過不足ありません。

項目推奨値補足
コンテナMP4互換性がいちばん高い
映像コーデックH.264一枚絵なら負荷も軽い
解像度1920×1080一枚絵で4Kにする必要はありません
フレームレート30fps または 60fps(固定プロジェクト設定と一致させる
映像ビットレート8〜12Mbps 程度静止画中心なら低めでも劣化しません
音声コーデックAAC 384kbps 以上ここを削らないこと
音声サンプリングレート48kHz音源が44.1kHzならそのまま44.1kHzでも可
なぜ音声を384kbps以上にするのか。YouTube は受け取った動画を必ず再エンコードします。つまりアップロード後にもう一度圧縮がかかるということです。手元の書き出しで音質を削ると、その削られた状態からさらに圧縮されるため、劣化が二重になります。入口の品質を高く保っておくのが、いちばん効く対策です。

音圧・音量はここでいじらない

編集ソフト側で音量を上げたくなる場面がありますが、やめてください。MIX・マスタリングの段階で、配信プラットフォームの基準に合わせて音量は設計されています。

動画編集ソフトのフェーダーで持ち上げると、その設計が崩れ、ピークが割れて歪むことがあります。音量が小さく感じる場合は、動画側ではなくMIX側に相談するのが正解です。この考え方は 配信で埋もれない音圧の話(-14 LUFS とラウドネスの基礎) にまとめています。

8. サムネイルは動画より先に決める

見落とされがちですが、再生されるかどうかを決めるのは動画の中身ではなくサムネイルです。どれだけ良いMIXでも、クリックされなければ聴かれません。

要素推奨
サイズ1280×720(16:9)
文字量曲名+歌った人の名前まで。それ以上は読まれません
文字サイズスマホの一覧で読める大きさ(=かなり大きめ)
顔・キャラの位置中央〜左。右下は再生時間表示に隠れます

投稿初期は、曲名をいちばん目立たせてください。あなたを探している人より、その曲を探している人のほうが圧倒的に多いためです。伸ばし方の全体像は 歌ってみた投稿を伸ばすコツ にまとめています。

9. やりがちなNG6つ

NG何が起きるか正しくは
MP3を動画に貼る圧縮が二重になり高域が痩せるWAVのまま貼る
プロジェクト設定を後から変更配置済みの素材が全部ずれる最初に決めて固定する
動画編集ソフトで音量を上げるピークが割れて歪む音量はMIX側で調整する
テロップを詰め込みすぎる歌への集中が下がる1〜2行に抑える
許諾を確認しない素材・フォント権利上の問題になり得る使用条件を確認しクレジットを記載
書き出し後に再生せず投稿音ズレや無音に気づけない必ず通しで一度再生する

10. 公開前チェックリスト

投稿ボタンを押す前に、この6つだけ確認してください。所要は3分ほどです。

11. よくある質問

Q. 動画編集は外注できますか?

できます。イラストと同じく、動画制作を請け負っている方はたくさんいます。ただし依頼するなら、完成音源が揃ってからにしてください。音が変わると映像も作り直しになり、追加費用が発生します。

Q. スマホだけで作れますか?

作れます。CapCut のスマホ版で一枚絵+テロップまでは十分可能です。ただし音源の扱いだけは注意が必要です。スマホに転送する過程でMP3に変換されてしまうことがあるため、WAVのまま扱える経路を確保してください。録音そのものをスマホで完結させたい場合は スマホだけで歌ってみたを録る方法と限界 をご覧ください。

Q. 縦型(ショート)はどう作りますか?

1080×1920 のプロジェクトを別に立てて、サビの前後60秒を切り出すのがいちばん手早い方法です。横型から自動でトリミングすると、顔や文字が切れます。面倒でも縦用に配置し直してください。

Q. 音源をもらう前に動画を作り始めていいですか?

素材集めと構成の検討は進めて構いません。ただし音を貼る作業だけは完成音源が届いてからにしてください。理由は第6章の原則3に書いたとおりです。

まとめ

動画作りでいちばん怖いのは、凝れないことではなく、気づかないうちに音を損なってしまうことです。逆に言えば、この記事の設定さえ守れば、MIXで作った音はそのまま視聴者に届きます。

YOUMIXでは、動画に貼りやすい形式での納品を標準にしています。「どの形式で受け取ればいいか分からない」という段階からご相談いただけます。制作例は 実績ページ、料金は 料金・依頼ページ をご覧ください。
🎚 動画の準備ができたら、あとは音の仕上がりです。
歌ってみたのMIXを相談・依頼する(YOUMIX)

自分の歌そのものを見直したい方は、声の音域チェッカーBPM・キー判定ツール もご利用ください。東京・北池袋のスタジオでのボイストレーニングも承っています。

その録り音、MIXに出せる状態ですか? ─ 無料の宅録3点セット

選曲から投稿までにやることを1枚にまとめた宅録チェックシートを無料でお配りしています。累計3,000曲のMIXで毎回確認している10項目のセルフ診断シートと、そのまま使える依頼文テンプレート集もセットです。所要15分、メールアドレスだけで受け取れます。

▶ 無料でチェックシートを受け取る
営業のご連絡はいたしません。1クリックでいつでも配信解除できます。

← ブログ一覧へ戻る