MIXが仕上がって、動画もできた。あとはアップロードするだけ——というところで、多くの人が最後に固まるのが概要欄です。
「何を書けばいいのか分からない」「クレジットの順番に正解はあるのか」「他の人の概要欄を真似していいのか」。ご依頼いただいた方から、納品後にこの質問を受けることが本当によくあります。
結論から言うと、概要欄には型があります。そして型さえ知っていれば、5分で書き終わります。この記事では、ソロ・合唱・商業曲の3パターンのテンプレートをそのままコピーできる形で用意しました。あわせて、なぜその順番なのか、どこを削ってはいけないのかという理由も説明します。理由が分かっていれば、イレギュラーな曲でも自分で応用できるからです。
書き方の前に、そもそも概要欄が何のためにあるのかを整理しておきます。ここを押さえると、何を優先すべきかが自動的に決まります。
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| ① 権利の表示 | 原曲者とオフボーカル配布元へのクレジット表記。多くの配布音源では、これが利用の前提条件になっています。省略できない部分です。 |
| ② 関係者への還元 | MIX・イラスト・動画を担当した人へのリンク。次に一緒にやりたい人が見つかる場所でもあります。合唱ものでは参加者の拡散にも直結します。 |
| ③ 視聴者への案内 | あなたが何者で、次に何を投稿するのか。チャンネル登録が起きるかどうかは、ここで決まります。 |
初心者の概要欄は①だけで終わっていることが多く、伸びている人の概要欄は①②③が全部入っています。そしてこの差は、才能ではなく知っているかどうかだけの差です。
時間がない、とにかく最短で投稿したい。そういうときは、この4つだけ書いてください。
この4つで、権利面の条件は基本的に満たせます。残りは「あるとよいもの」なので、あとから追記して構いません。概要欄は公開後でも自由に編集できます。
いちばん使う形です。ボカロ曲を1人で歌う場合を想定しています。
参加者が多いときは、ボーカル陣を先にまとめて、スタッフを後ろに置くのが読みやすい形です。参加者は自分の名前を探しに来るので、上のほうにあるほうが親切です。
J-POPやアニソンのカバーは、ボカロ曲とは書き方が少し変わります。作詞者と作曲者を分けて書くのが慣例です。
「この担当は英語でなんと書くのか」で迷うことがあります。歌ってみた界隈で定着している表記をまとめました。
| 表記 | 担当する内容 |
|---|---|
| Vocal | 歌唱。合唱では Vo. と略すこともあります。 |
| Chorus | ハモリ・コーラス。本人が重ねた場合も書くことがあります。 |
| Mix | MIX作業。整音・バランス調整を担当した人。 |
| Mastering | マスタリング。同じ人が両方担当した場合は Mix/Mastering とまとめます。 |
| Off Vocal/Inst | 使用した伴奏音源の配布元。最も見落とされやすい項目です。 |
| Illust | イラスト。既存イラストをお借りした場合は「様」を付けます。 |
| Movie/Encode | 動画編集。エンコードのみ別の人なら分けて書きます。 |
| Recording | レコーディング。スタジオで録った場合はスタジオ名を書くこともあります。 |
| Vocal Direction | ボーカルディレクション。歌唱指導・テイク選定を担当した人。 |
ここは知っているかどうかで差がつく部分です。
YouTubeでは、概要欄のうち最初の2〜3行だけが折りたたまれずに表示されます。検索結果のスニペットにも、この部分が使われることがあります。つまり概要欄でいちばん人目に触れるのは冒頭数行だけです。
にもかかわらず、多くの人がここをクレジットで埋めてしまいます。「開かないと何も分からない概要欄」ができあがるわけです。
| 冒頭に置くもの | |
|---|---|
| 良い例 | 「(曲名)を歌わせていただきました。」+ 一行コメント。曲名と歌い手が即座に伝わります。 |
| 惜しい例 | いきなり「━━━━━ 本家様 ━━━━━」から始まる。区切り線と権利表記で一等地が終わってしまいます。 |
クレジットを軽視しろという話ではありません。順番の問題です。一行の挨拶と曲名を先に置き、そのすぐ下にクレジットを置く。それだけで、権利表示と視聴者への案内が両立します。
歌ってみたのタイトルには、ほぼ固定の型があります。
あるいは日本語で「(曲名)歌ってみた/(あなたの名前)」という形も定番です。どちらでも構いませんが、曲名を先頭に置くのは共通しています。理由は単純で、多くの人は曲名で検索するからです。自分の名前が先頭にあると、まだ名前を知らない人には引っかかりません。
YouTubeでは、概要欄に書いたハッシュタグのうち先頭3つがタイトル上部に表示されます。数を増やしすぎると効果が薄れる仕様があるため、3〜5個に絞るのが現実的です。
| タグ | 入れる理由 |
|---|---|
| #歌ってみた | ジャンルの基本タグ。ここから回遊してくる人がいます。 |
| #(曲名) | いちばん効くタグ。同じ曲の他のカバーを見ている人に届きます。 |
| #(原曲者名) | そのボカロPやアーティストのファンに届きます。 |
| #(企画名) | 合唱企画やイベントに参加している場合のみ。指定タグを正確に。 |
| # | NG | どう直すか |
|---|---|---|
| 1 | 「Inst:お借りしました」だけで済ませる | 配布元が特定できず、条件を満たしたことになりません。配布元名とURLを書いてください。 |
| 2 | 他人の概要欄をそのままコピーする | クレジットの中身まで残っていることがあります。実際に見かけます。必ず自分の情報に書き換えを。 |
| 3 | 冒頭からクレジットで埋める | 一等地が権利表記で終わります。挨拶と曲名を先に。 |
| 4 | 合唱で参加者のリンクを省く | 拡散の動機が弱まります。全員分を必ず記載してください。 |
| 5 | リンク切れを放置する | クレジットとして機能しなくなります。投稿前に全リンクをクリックして確認。 |
アップロードボタンを押す前に、これだけ確認してください。1分で終わります。
原曲名と原曲者名、原曲へのリンク、オフボーカルの配布元、制作クレジットの4つです。この4つで権利面の条件は基本的に満たせます。
厳密な決まりはありませんが、原曲情報を最上部に置き、その下にスタッフを並べるのが一般的です。合唱では先に参加者全員、そのあとにスタッフ。順番よりも、原曲情報が最初に来ていることのほうが重要です。
Mix:(担当者名)と書き、可能ならリンクを添えます。マスタリングも同じ人なら Mix/Mastering とまとめます。表記の希望がある依頼先もあるため、納品時に確認しておくと確実です。
問題ありません。公開後も自由に編集できます。記載漏れに気づいたらすぐ直してください。ただし公開直後は視聴が集中するので、投稿前のチェックのほうが確実です。
3〜5個です。YouTubeでは先頭3つがタイトル上部に表示され、増やしすぎると効果が薄れます。歌ってみた・曲名・原曲者名の3つが基本です。
概要欄は、動画の中身ではないぶん後回しにされがちです。でも実際には、関係者との関係も、視聴者との出会いも、ここから始まります。テンプレートを一度自分用に整えてしまえば、次からは埋めるだけです。
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