録音は終わった。MIX師さんも決めた。あとは連絡するだけ——なのに、最初のメッセージが送れない。歌ってみたを投稿しようとして、ここで止まってしまう人は本当に多いです。
「何を書けば失礼じゃないんだろう」「予算の話を先にするのは気が引けるな」「そもそも初めてなのがバレたら断られない?」。気持ちはよく分かります。でも、MIXを受ける側から正直に言うと、丁寧さより“情報が揃っていること”のほうが何倍もありがたいです。挨拶が短くても、必要なことが書いてあれば、その場で見積もりも納期も答えられます。
この記事では、コピペしてそのまま使える依頼文テンプレートを3パターン(ソロ/合唱・コラボ/修正依頼)用意しました。あわせて、伝えるべき8項目、やりとりが長引くNG例、送信前のチェックリストまでまとめます。
MIXエンジニアが最初のメッセージを見て知りたいのは、ほぼこの8つだけです。逆に言えば、この8つが埋まっていれば依頼文としては完成しています。
| 項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| ① 曲名・原曲URL | テンポ、キー、音の密度が分かる。作業量の見積もりが一発で立ちます。 |
| ② パート構成 | メイン1本か、ハモリが何本あるか。本数で工数と料金が変わります。 |
| ③ オフボーカルの入手元 | 公式配布か、自作Instか。権利まわりの確認と、音質の想定に必要です。 |
| ④ 録音環境 | マイク、オーディオインターフェース、部屋の状況。ノイズ処理の見積もりに直結します。 |
| ⑤ 希望納期 | 「投稿予定日」まで書くと最も伝わります。急ぎかどうかで受注可否が変わります。 |
| ⑥ 予算 | 先に言ってOK。範囲が分かれば、その中での提案ができます。 |
| ⑦ 仕上がりのイメージ | 参考音源(既存の歌ってみたやCD音源)のURLが一番速い。言葉より確実です。 |
| ⑧ 音源の渡し方 | ファイル便のリンクを添えるか、返信後に送るか。ひと言あるだけでスムーズです。 |
④の録音環境が分からない場合は「スマホで録りました」「マイクの型番は分かりません」でまったく構いません。書いてあるだけで判断材料になります。書き出し設定に不安がある方は MIX依頼時の音源の準備・書き出し設定 をどうぞ。
一番よく使う基本形です。〈 〉の中を自分の情報に置き換えるだけで完成します。
最後の「初めてです」の一文は、入れておくと得です。用語の説明を丁寧にしてもらえたり、書き出しのやり直しを提案してもらえたりします。隠すメリットはありません。
複数人の歌ってみた(合唱、コラボ、掛け合い)は、誰がどのパートを歌っているかが分からないと作業が止まります。人数とパート割りを最初に書ききってしまいましょう。
1st MIXが返ってきた後の修正依頼。ここで一番多い失敗が、感覚だけで伝えてしまうことです。「もっといい感じに」「サビが弱い」だけだと、修正の方向が半分は外れます。
コツはシンプルで、「時間」+「起きている現象」+「どうしたいか」の3点セットで書くこと。
どこまで修正できるのか、どこからが録り直しになるのかは MIXの修正依頼のコツ・どこまで直る? で詳しく解説しています。
断られるわけではないけれど、確認の往復が増えて着手が遅れる——そんなパターンをまとめました。
| ありがちな書き方 | こう変えると伝わる |
|---|---|
| 「MIXお願いできますか?」だけ | 曲名・パート数・希望納期・予算の4つを足す。これだけで返信が見積もりになります。 |
| 「予算はおまかせします」 | 「〇〇円くらいを考えています」。上限が分かるほうが提案しやすく、結果的に希望に近づきます。 |
| 「なるべく早めでお願いします」 | 「〇月〇日投稿予定なので、〇日までに」。日付があると受注可否をその場で判断できます。 |
| 「プロっぽくしてください」 | 参考音源のURLを1本貼る。言葉100個より正確です。 |
| MP3で音源を送る | WAVで書き出す。MP3は一度失われた情報が戻らず、仕上がりの上限が下がります。 |
| ファイル名が「録音1.wav」 | 「曲名_メイン.wav」「曲名_ハモリ上.wav」。中身が分かる名前に。 |
| 返信前に大容量データを送りつける | ひと言添えてから送る。ただし急ぎなら最初にリンクを貼るのも歓迎されます。 |
音源の渡し方そのものは MIX音源の渡し方・ファイル便の使い方 にまとめています。
送る直前に、この6つだけ確認してください。
料金の相場感が分からないまま「予算」を書けない場合は、先に 歌ってみたMIXの料金はいくら? を読んでおくと数字が入れやすくなります。依頼全体の流れは MIX依頼の流れ完全ガイド、MIX師の選び方は MIX師の選び方・失敗しない依頼のコツ をどうぞ。
失礼ではありません。むしろ親切です。予算が分かれば、その範囲でできること・できないことをその場で提案できます。「おまかせします」のほうが、お互いに探り合いになって時間がかかります。
どちらでも構いません。急いでいるなら最初からファイル便のリンクを貼ってOK。受注が決まる前に渡すのが不安なら、内容だけ先に伝えて、返信後に送る流れで問題ありません。テンプレートには「ご都合のよいタイミングで」と入れてあるので、そのまま使えます。
初めてであること自体が断る理由になることは、まずありません。むしろ書いておいたほうが、説明を丁寧にしてもらえます。分からないことは「分かりません」と書くのが、いちばん早い近道です。
2〜3行で十分です。長い自己紹介より、曲名とパート数のほうが役に立ちます。
これはMIX師さんごとに違うので、最初のやりとりで必ず確認してください。「修正〇回まで込み」と明記されているかどうかは、料金と同じくらい大事な条件です。
MIXを受けていて実感するのは、依頼文が整っている案件ほど、仕上がりも良くなるということです。理由は単純で、確認の往復に使うはずだった時間が、そのまま音づくりに回るからです。
「参考音源はこれです」「2番のここが不安です」——そう書いてくれる方の音源は、迷わず狙いを定められます。逆に情報が少ないと、最初のMIXは“探り”になり、1周分の時間が消えます。
完璧な文章を書く必要はまったくありません。上のテンプレートの〈 〉を埋めて、コピペで送るだけ。それだけで、あなたの歌はいちばん良い状態でスタートできます。
依頼の前に自分の歌を客観的に把握しておきたい方は、声の音域チェッカーやBPM・キー判定などの無料ツールもどうぞ。原曲キーが分からないときは 原曲キーの調べ方 も参考になります。
あわせて読みたい:歌ってみたMIXの納期はどれくらい?依頼から公開までの逆算スケジュール
「自分の歌が下手だから依頼しづらい」と感じている場合は、歌が下手でもMIXで上手く聞こえる?直せること・直せないことの境界線 もあわせてご覧ください。MIXで直る種類のズレかどうかが分かります。
そのまま使えるMIX依頼文テンプレート集を無料でお配りしています。何をどこまで書けば伝わるのかを、依頼を受ける側の視点でまとめました。累計3,000曲のMIXで毎回確認している10項目のセルフ診断シートと宅録チェックシートもセットです。所要15分、メールアドレスだけで受け取れます。
▶ 無料でチェックシートを受け取るあわせて読みたい:MIX依頼のトラブル7つと、その防ぎ方/ミックス師とは?/未成年・学生のMIX依頼ガイド